2017/05/13

ゴールデンウィークの置き土産

ゴールデンウィーク明けに左手の甲に痛みが出てピーク時は一晩眠れなかったことがありました。これは一体どうしたことだと思って職場の机に向かった時、そうか、これだったのかと思い当たりました。長時間マウスを操作したことによる腱鞘炎でした。病院に行ってないので断定はできないのですが、マウスに手を当てると左手が疼くのできっとそうだと思う次第です。新設校の案内図の作成に1日数時間もマウスを使っていました。その甲斐あって内覧会等々の準備も整いました。左手でマウスを使うようになったのは、右手にペン、左手にマウスだと持ち替える必要がないと聞いたからです。もちろん左右のボタンの機能は入れ替えています。すこぶる快適でしたが、もしも右手で操作していたらこんなことにはならなかったのかもしれません。

自閉症についてペーパーをまとめることになってあらためて資料を当たっていたらいくつかアンテナに引っかかることがありました。そもそも自閉症という診断名はDSM5ではなくなりました。このあたりの診断名は流動的な側面があります。DSM5のカテゴライズについてTwitterでは「カテゴリー概念による診断の限界」「カテゴリー診断の経済性そう簡単には捨てきれない」「今すぐカテゴリー概念を捨てるにはリソースが足りなさすぎる」等々の書き込みがあって興味は尽きません。そうそう、自閉症のことを調べていたのだったとまた資料に目を移すと診断名やカテゴライズ有りきではない子どもの見方の本が少しずつ出てきていることもわかってきました。その1冊は先月取り寄せたばかりでまた1ページも読んでなくて溜息が出ました。やっぱり原典が必須と英文のDSM5を注文しようとしたらイギリスから届くようです。しばし待ちます。

本といえば帚木蓬生の「ネガティブケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」(朝日選書 2017)は読み始めたら止まらず、ゴールデンウィークの1日はそれで終わりました。主題はサブタイトルの「答えの出ない事態に耐える力」そのもので、オープンダイアローグのスタンスの「不確実性への耐性」にも共通する文脈です。この歳になってこのことへの確信を得たのはあまりに遅過ぎたの観がありますが、この先私自身が不確実な日常に身を置こうと考えている今だからこそ受け止め方もより重みを感じたと考えるべきでしょう。ゴールデンウィークの置き土産はいろいろありました。

『レディ・ムラサキのティーパーティー らせん訳「源氏物語」』

 高橋亨の一連の著書と並んで今私が注目するコンテンポラリーの源氏物語論です。とんでもなく面白い。毬矢まりえ・森山恵の共著です。 毬矢まりえと森山恵はアーサー・ウェイリーが英訳した源氏物語を邦訳しています。ひょんなことからその「らせん訳」を読む前にこの『レディ・ムラサキ・・・』を読...