2004/03/28

■少し前にテレビでいかりや長介さんの葬儀が放送されていました。バックにマーラーの交響曲第5番から『アダージェット』が流れていました。出勤間際の朝のことですがふと聴き入ってしまいました。こんなにきれいな音楽だったのかと…その夜、CDでじっくり聴きました。
■金曜日、勤務先の養護学校の修了式があって今年度の授業が終わりました。新学期は4月12日です。残務整理は意外に時間がかかって残業となってしまいました。バサバサと切るように事務処理をしました。
■ST(言語聴覚士)のアドバイスに自閉症の子たちのサポートの話がありました。自閉症スペクトラム障害の人は“健常”とされる人たちの中にもかなり多いのではないでしょうか。自閉症、PDD、ADHD、LD、AS、レット症候群、そして、MR、統合失調症、うつ、など。診断名はちがっても脳内の情報処理の不具合という点では共通のファクターがあるのではないでしょうか。厚生省(厚生労働省)のサイトでも自閉症の原因はセロトニンやドーパミンなどの不具合ではないかとの言及があります。キレーションも含めてテーマの核心について脳科学の視点からの検証が国家レベルでなされてもいいように思います。早くそうしてほしいし、社会福祉の面でも地域でもっと手厚いサポートがシステムとしてなされるべきです。そして、コミュニティで取り組むサポートはやはりTEACCHではないでしょうか。
■1週間前に満開だった桜並木が葉桜に姿を変えようとしています。なぜかその桜たちだけが早く咲きそろいました。淡いピンクの桜の花が今年はとりわけ美しくやさしく私の目に映ります。風に舞う桜の花びらに巻かれてしまいたいと、ふと思いました。これから本番の桜の季節はいつになく心ときめくひとときとなることでしょう。

2004/03/21

「砂の器」

■3月の日曜日のポコ・ア・ポコを行いました。19家族のみなさんに来ていただいて50人くらいのセッションとなりました。大勢ですがみなさんセッションの文脈を理解して参加していただきました。感謝しています。
■今日のセッションでは、私自身が音楽がよく聴こえていたように感じました。子どもたちの動きもよく見えて声かけをすることや、プログラムの細かなところはセッションをしながら組み立てることができてました。だからこそ、終わってから、あの時はこうするべきだったという反省がたくさんあります。
■終わりの大きなシャボン玉が子どもたちの頭の上でふっと消えてしまいました。こんなことは初めてですが、これで終わり!という区切りとしてはこんなのもいいかも…と思いました。あいさつをして『世界にひとつだけの花』を小さめの音で流しました。すると、残ったみなさんから手拍子が始まりました。私がシャボン玉を吹きたい子たちとひととき遊んでいるうちに歌が終わって、今度は拍手です。なんだかじーんときました。
■終わってから指編みの毛糸を探しに行きました。おめあては水色の太い毛糸です。シーズンオフ間近で半額とか! でも、思うようなのがなくて、いちばん太いのを買ってきました。子どもの指にはちょうどいいかも知れません。
■日曜日のポコ・ア・ポコの4月と5月の会場を予約してきました。その前に春休みのポコ・ア・ポコのスケジュールを決めなくてはならないのですが、自分の動向がわからないのでまだ決まりません。
■夜、TBSの「砂の器」のコンサートのシーンで音楽をじっくり聴くことができました。千住明作曲ピアノ協奏曲「宿命」 です。映像がまた悲しくて、でも、かつてそんな親子と出会っていたかのような、そんな感覚を覚えました。イタリア映画の「鉄道員」や「道」など、涙なしでは見られない、でも、見てしまうあの感覚です。
■金曜日、地元の小学校の卒業式に出席する機会がありました。たいへん落ち着いた空間でした。音楽はほとんどがピアノの生演奏です。「ビリーブ」「さくら」「さようなら」の3曲の子どもたちの歌とよくマッチして、生ピアノはこんなにもきれいな音だったのかと、いいものだとしみじみ思いました。歌があってもなくても、ピアノはただ指がよく動くといった技術だけでは聴く人の心に届く音楽が奏でられるわけではありません。テクニックはより高いものがある方がいい。でも、子どもたちといっしょに音楽しよう!という気持ちの方がずっと大事です。体育館の頭上のカラーテープがきれいでした。

2004/03/17

関係発達論

■小学校の研修会で病弱のお子さんへの支援について話をする機会がありました。このところ障害児学級の新設を控えてのレクチャーの依頼が増えてきました。特別支援教育を見据えてのことだと受け止めています。取り組みに感謝しています。できる限り真摯にお応えするように心がけています。
■質疑で自閉症のお子さんとの交流学習について質問があってあらためて思いました。自閉症のお子さんへのサポートはどのケースもオーダーメイドであるということです。お子さんの文脈を紐解いて、そして、その子らしく再び綾なしていくことへのお手伝いです。それにしてもサポーターの数があまりに少ない…
■今、私がいちばんお伝えしたいことは、子どもは関係性の中で育つということです。京都大学の鯨岡峻先生の関係発達論をいつも取り入れてお話ししています。関係発達論とは、例えば、「育てる者」と「育てられる者」という関係はひとりの中で同時に存在して、その両義性こそが人を育てるという考え方です。この両義性の存在を子どもに教えていくのが前世代の責任です。親は子どもから子育てを教えられながら親となっていくのです。教育における先生と子どもとの関係もそうでありたい。障害がある人とそうでない人との関係もそうでなくてはならないと私は考えています。

2004/03/14

ポストカード

■TBSの「報道特集」のキレーションのことですが、どうして教育プログラムが同時に必要かというと、キレーションを始めたその時から子どもの人生の文脈が書き換えられることになるからです。脳がリセットされるという仮説です。新しい文脈を急いで組み立て直さなくてはならない。ただキレート剤を飲んでいるだけではいけない。ABAなどの強力なリードがなくてはならない。番組で紹介されたお子さんは週40時間のABAのセッションを受けてみえるそうです。
■MacライクのOPERAにしてからブラウジングが新鮮に感じられて、今日はプリント待ちの時間に写真のサイトをずっと見ていました。ぐっと惹かれるのはやはりアートフォトとよばれる写真たちです。モニタで見るだけでも自分の中の何かが変わる、そんな感じがしました。それにしてもプリンタの遅いこと! PM2000C…5年も前のプリンタだから仕方ないか…モノクロでいいからレーザーのスピードがほしい。仕事の効率が上がらない!
■先週、自分が撮った写真をポストカードサイズにプリントすることがあって、写真をポストカードの縦横比でトリミングしたらすごく安定感が出て驚きました。よく使うワイド4つ切の縦横比に比べて若干広め。ポストカードの写真を見慣れているだからだろうか!? 安珠のサイト(リンクしています)ではポストカードのセットを販売しています。このサイズにこだわって作品を仕上げるのもいいな…と思っています。写真も身近なところで親しみたいもの。ポストカードサイズならどこでも置ける。
■写真のサイズといえば、昨日、『ハッセルブラッドの時間』(藤田一咲、枻文庫 2003)を本棚で見つけてぱらぱらと見ています。6×6のスクエアのフォーマットは魅力的です。デジタルだとスクエアのトリミングも簡単ですが、長方形のファインダーからスクエアの画像をイメージするのはむずかしい。
■MPVのリコールがあって修理に行って来ました。ディーラーにブルーのATENZAワゴンがあってその色に見とれてしまいました。

2004/03/13

クリスマスローズ

■10日に勤務先の養護学校の卒業式がありました。私は今の勤務校に赴任して6年です。いっしょに入学してきたお子さんたちの小学部の卒業式でいつになく感慨深いものがありました。卒業生を送る音楽は今年もリチャード・クレイダーマンの「フロム・ア・ディスタンス」にしました。ポコ・ア・ポコのフラップ・バルーンで使っている曲です。フィナーレの演出には欠かせない素敵な曲だと思います。
■昨日は志摩まで出張でした。あいにくの天気で海の色も冴えず、車を止める時間もなくて写真は1枚も撮らずに帰ってきました。100キロを超えるドライブでした。ずっと「the piano songs」を聴いていました。
■写真のサイトを作ろうと無料のホームーページスペースを確保しました。少しずつ作品をアップしていこうと思っています。
■この頃EOS-D30がフル稼働です。毎日7キロのバッグをかついで仕事をしています。レンズはEF20~35mmF3.5~4.5です。D30だと32~56mmでちょうどスナップ向きです。このレンズはISはないもののとにかく色がきれいです。逆光でもフレアが最小限でわずかに回り込む光がとてもきれいです。D30は評価測光が迷いに迷ってどうしようもないけどヒストグラムで確認しながらどうにか補正して使っています。カメラのコンピュータとの知恵比べです。ニコンならこんなことはないけど迷うおもしろさもない…かな? でも、レンズはやっぱりキャノンがおもしろい。ちょっと危うい色と線の細い描写がいい。デジタルの鉄則に反してハイキーで飛ばすのがこの頃のこだわりですf(^_^);
■クリスマスローズが咲き始めました。一昨年に株分けをしたら次のシーズンは咲かなくて、やっと咲いたという感じです。でも、クリスマスローズは今頃咲くのだったかな?

2004/03/09

りんちゃん返事

■TBSの「報道特集」で自閉症と水銀の特集を見ていて思ったことがいくつかあります。
■私は自閉症スペクトラム障害の原因を脳内の情報伝達物質とレセプターの不具合ではないかと考えています。ADHDの症状がリタリンで改善されるのはその証とも考えています。水銀は脳内の神経の成長を阻害するわけですからもっと深刻な状態です。キレーションによってその状態が改善されるわけですからこれは画期的ともいえます。でも、「報道特集」を見ていて思ったことがあります。キレーションだけでは子どもは“よくならない”のです。
■キレーションは体質を改善するものと考えます。体質は改善されても、子どもは体質の改善だけでは成長も発達もしません。子どもを取り巻くすべての環境が適切に整って初めて子どもが全体として伸びる、つまり発達するわけです。ここに子どもの発達に積極的に関与する教育プログラムの重要性がクローズアップされてきます。TEACCHなどです。私たち“学校の先生”はキレーションや脳科学のことも勉強しながら、子どもを全体像としてみる専門性を適切に説明できる言葉を持たなくてはなりません。私たち“学校の先生”が頼るべき理論は関係発達論だと考えています。関係性の質の向上が子どもの発達を全体として好ましい方向に導くのではないでしょうか。
■「僕と彼女と彼女の生きる道」にはまっています。「はい」という“りんちゃん返事”は発達につまずきのある子どもがよくする返事と似ています。今、コミュニティでサポートしている子もそんな返事をしてくれます。
■サイトの壁紙のデザインを替えてみました。

2004/03/07

自閉症と水銀

■今日のTBSの「報道特集」でセンセーショナルなことが取り上げられました。自閉症の子に水銀を排出する薬=キレート剤を服用させたところ自閉症が治ったというものです。自閉症スペクトラム障害が脳内の情報伝達物質の分泌とレセプターの不具合ではないかということは前々から考えいます。「記憶の断片化」です。TEACCHの絵カードや構造化などは断片化された記憶をつなぐ役割を担う教育的サポートです。これは仮説です。でも、この仮説によって自閉症スペクトラム障害のお子さんの理解とサポートがたいへんわかりやすくなることは事実としてあります。水銀排出療法の薬の処方は日本では認められていません。アメリカから取り寄せとのこと。副作用もあります。でも、藁をもつかむ気持ちでこの療法にかける家族の思いもよくわかるのです。そして、自閉症のお子さんのシアワセとは何かと、また思うのです。

2004/03/04

国府白浜

■志摩まで出張に行って来ました。これは国府白浜です。時刻は夕方5時を回っていて、“白浜”と雲がわずかにピンクに染まっているのは夕日のいたずらです。
■休日はサーファーで賑うこの浜も今日は静かで、風向きのせいか海の香がしませんでした。誰もいなくて、静かで、ただただ波の音がするだけでした。その波もサーファーを寄せつけない穏やかさでした。
■淡いピンクに染まった砂浜には小さな白い貝殻が落ちていて、冷たい風の中、その白さが浮き出て見えました。

2004/03/03

OPERA

■昨日から胃痛と発熱でダウンしてしまいました。ここのところちょっと無理をしていたのかも知れません。ひたすら寝て復活です。朝も昼も眠っていました。だから今起きている!
■LavieにOPERAをインストールしてみました。フリー版なので広告バナーが入りますが、それでも十分におしゃれなデザインと快適な使い心地です。スキンはMacOSXVolterでMacライクにしました。こんなちょっとしたデザインの変化で実感するちがいはかなり大きい。デザインは大事だと思う。メーラーもOPERAのデザインがいいけどBeckyに蓄えた今までのメールは捨て切れません。
■でも、ブックマーク(お気に入り)はまたひとつひとつ登録していきたいと思います。ブックマークは自分の過去を引きずっているように感じてしまうことがあります。時に一掃して新しい自分を見つけなくては!と思うけど何かきっかけがないとやらない。

2004/03/01

テルミン

■日曜日に名古屋大須のアメ横に行ってきました。VOXのギターアンプが半額で一番小さいモデルを練習用に購入。一番小さいモデルといっても10Wだから教室くらいなら十分に実用です。軽くて持ち運びが楽なのがいい。音はノスタルジーを感じるオーソドックスなもので、BOSSのスーパーコーラスを使うとさらにノスタルジックです。“あのサウンド”といったところです。
■トヨタ自動車博物館も行きました。期待のF1マシンは…なかった。聞けばジャパングランプリの頃に展示されるとか。秋ではないか!
■車で聴き続けたのは「the piano songs」です。歌もピアノもいい。歌が先に生まれたのかピアノが先に生まれたのかわからないくらいどちらもいい。どうしたらこんな曲が生まれるのだろうと不思議なくらいです。
■今日、知人からテルミンをいただきました。映画『ハンニバル』で登場して脚光を浴びた楽器です。早速VOXのギターアンプにつないで試奏です。音のコントロールが難しい。果たして使いこなせるのだろうか?

『レディ・ムラサキのティーパーティー らせん訳「源氏物語」』

 高橋亨の一連の著書と並んで今私が注目するコンテンポラリーの源氏物語論です。とんでもなく面白い。毬矢まりえ・森山恵の共著です。 毬矢まりえと森山恵はアーサー・ウェイリーが英訳した源氏物語を邦訳しています。ひょんなことからその「らせん訳」を読む前にこの『レディ・ムラサキ・・・』を読...