いつしか3月も半ばを過ぎてまだまだ風が冷たいと思っていたところ今日は何かがちがうと思うほどの芯が感じられるほどの暖かさでした。そうか! 今日は彼岸ではないか! 暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものです。
今日は県立美術館の企画展「ライシテからみるフランス美術 信仰の光と理性の光」に行って来ました。職場の廊下に掲示されたポスターに「ライシテ」とあって何だろうと思っている間に企画展終了の22日が迫っていました。果たして「ライシテ」とは何か。展示室の入り口の説明を読んでもピンときません。同じ説明が美術館のウェブサイトにあります。
「ライシテ」とは、国家が宗教から自律し、人々に信仰の自由や精神的平等を保障する制度、そしてそれを支える思想のことです。フランス共和国の根幹をなす概念ですが、異なる宗教を信じる/信じない人々の共生のための理念から、政治権力と宗教の厳格な分離に至るまで、ライシテは複数の顔を持ちます。
単なる政教分離ではなさそうです。キャプションを読んで絵を観てもわからない。それなのに読んで観て読み返してまた観ての繰り返しをしてしまう。つまり面白いということです。入口に「図録完売」とあったのも頷けました。では、その面白さはどういうことなのか。よく言われるように学校の授業では教えてくれない歴史の見方がそこにあるのではないかという予感が惹きつけるのだと思います。政治と宗教の関係が社会の制度として語られるだけでなくそのせめぎあいに絵画など美術が可視化した「聖性」が深く関わっていそうです。説明に度々登場する「聖性」ですがこの言葉はどう定義されるのだろうか。フランスの政治と宗教は両者の距離をどう置いても両者は関係しあっているのではないかと思いました。これはフランスに限ったことではないはずです。欧米諸国におけるキリスト教は距離の置き方如何に関わらず深く強くつながっているのではないか。哲学然り。明治時代にキリスト教抜きでドイツ哲学を取り入れようとしたのは思慮深さに欠けたことだったと思います。今回のライシテ展のキャプションは私には手強いものでしたがそれだけに興味津々でした。
来館者は多いと思っていましたがまばらだったので時間をかけてゆっくり観て回ることができました。