■今日は2コマの座学でした。午前中の講義でかなりエネルギーを使ってしまったので、午後の講義は半分くらい機械的にペンを走らせているような感覚に陥ってしまいました。終わったらヘトヘトで、部屋に帰ったらいすに座ったまま眠ってしまいました。右手の親指は腱鞘炎なのか、慢性的な痛みがあります。こういう経験はちょっとできない貴重なものなんでしょうね…(-_-)…
■午前中はNISEの重複障害教育第一研究室長の土谷良巳先生の『重度・重複障害児の指導』でした。盲・聾・肢体不自由・知的・自閉などの障害がいくつかある子どもたちの話で、これは自分の勤務校の子どもたちの姿です。
■主体性、自己実現、自己決定、生きる力はスキルとして教えられるのか。スキルならアメリカやカナダの考え方でいくとプログラム化される。でも生きる力ってIEPの長期目標や短期目標にどうやってのっけられるのか。
■困ったときは逆転の発想で、どんな状況におかれたときに主体性が損なわれているのか、と考える。それは、わかりにくい状況、できないことを求められるとき、常に先取りされた状況、共有できない状況で、そんなとき不安と緊張を与え、子どもは受け身の生活となる。こんなときは、制約となっている項目をあげて1つ1つつぶして子どもがどう変わっていくかみる。これは指導の前にやること。(学習以前の問題ということですね)
■ここでアメリカのビデオを見ました。『Getting in Touch ~Communicationwith a Child who is Deaf-Blind~』(盲・聾の子どもと接するためのタッチ・コミュニケーション)です。盲・聾の子どもと接するお母さんや先生のためのビデオとのこと。子どもたちがまわりの状況がわからなくて不安になったり緊張したりしないために、子どもたちに提供しなければならない情報をどうやって伝えるか、というスキルをまとめたものです。(土谷先生は同時通訳+画面を止めての解説付きで私は唖然としてしまいました。)障害がある子どもたちとかかわるときにいちばん大事なことは「個別性」で、ここから考えていく。(例えば「知的障害の子どもたちは…」という発想はない。)そのスキルは自分の勤務校では日常的にしていることでしたが、もっとていねいに子どもたちとかかわらなくてはならないな、と反省しました。
■土谷先生は、カレンダーボックスやオブジェクト・キュー、カードなどの小道具を使って、ネゴシエーションという考えで子どもの主体性を育てる研究を続けてみえます。ネゴシエーションは交渉です。コミュニケーションがうまくいくからといって両者が完全に納得することは限りません。しぶしぶ妥協する、主張しながらも妥協することが多いですね。そんな交渉、対話、やりとり、かかわりが大事で、それを助ける小道具の工夫が必要です。オブジェクト・キューやサインに一貫性をもたせること、選択肢を設けることなどたくさんの内容でした。
■肢体不自由の養護学校の鎌倉養護学校のビデオも見せていただきました。子どもと先生とのあーでもないこーでもないというやりとりは度会養護学校の子どもたちを思い出してしまってテレビの画面に見入ってしまいました。
■土谷先生は障害がどんなに重くても自分の意志を表すことの大事さを最後に強調してみえました。
■午後の講義は立命館大学の望月昭先生の『ニーズのアセスメントと対応~障害観の変遷~』でした。午前中の講義の「選択肢」に「他の選択肢」が選べるものを加えたときの子どもの反応などについて話がありました。「AかBか、もっと他のもの」という具合です。
■『煉獄のクリスマス』が最近日本にあったという話はショッキングでした。乱暴な言い方ですが、問題行動は周囲の人間が事態を難しいものにしていくという実話でした。
■そんな講義の休憩に研修棟の2階のベランダから海を見ていて、ふと久里浜養護学校を見ると、先生が「公開授業」という縦看を門にくくりつけていました。明日は授業参観みたいです。おとなりの研究所には案内も何も来ないのかな? 行けるのかな? 行けたら行きたいのですが、保護者を対象にした参観かも知れません。
■では、また。
2000/06/16
久里浜だより23
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