■三重県総合文化センターのアートフォーラム三重展2002に行ってきました。今日はコンサート「北住淳とその仲間達」とアーティストとのコラボレーションがありました。「現代美術」と「現代音楽」のコラボレーションです。その中で今村幸生らが創作します。ギャラリーには数十人の「鑑賞者」が見つめていました。
■この鑑賞者たちがアートフォーラム三重展にプラスαの活力を加えていました。こんな体験は初めてで私にはカルチャーショックといえるほどでした。鑑賞者たちは実に生き生きとした何かを発しながらギャラリーを回っていました。音楽とのコラボレーションでは鑑賞者のひとりひとりがコラボレーションの第三者として参加していました。私はその空間にどっぷりはまって戦慄してしまいました。こんな「展覧会」はちょっとない。
■音楽はシンセと竹笛など素朴な楽器たち、そして、声です。即興演奏は今その時だけのもの。「調性」も「リズム」も「メロディー」も伝統的な音楽とはかけ離れています。でも、その空間の表情は音楽療法のそれと似ているように感じました。音と自分、自分の音と他者の音、そして音空間と自分、それらが相乗して生まれる文脈は私の覚醒レベルをものすごい力で引き上げる。その「きわどさ」は音楽療法のセッションとなんら変わりないもの。
■NHK-TVで9月26日放送の「にんげんドキュメント~アートで“人生”に輝きを~」は、アートが人の心を活性化することを見せてくれました。NHKのサイトは、「奇抜な空間の中で行う作品づくりは痴呆症の母親に刺激を与える独特の介護の形だ。」と番組の紹介をしています。非日常の体験を日常のものとしてくれるアートは私たちの感性にカルチャーショックともいえるほどのゆさぶりを与えてくれる。その時の「目ざめ」は測り知れないパワーを秘めているのではないでしょうか。
■今年は清里現代美術館に行く機会がなかなかなくてフラストレーションを感じていただけに今日はほっとするひと時でした。
2002/10/14
アートフォーラム三重展2002
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