2月のポコ・ア・ポコは12家族のみなさんに来ていただきました。2か月ぶりなので身長がぐっと伸びたように感じた子、顔が児童の凛々しさを増した子、待つことができるようになった子、成長を目の当たりにするひとときでした。今日は遠方から来ていただいたご家族が何組かみえました。お子さんはとても楽しそうにしてみえたのでほっとしました。県内の各地域でミュージック・ケアの定期的なセッションの場を設けることができればと、これは私の努めですね。
昨夜、NHK-ETVでグスターボ・ドゥダメル指揮のシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ演奏会の放送があって録画をしました。今朝はそれを聴きながら用事を片づけていたのですが、たしかに「ベネズエラの奇跡」といわれるだけのことはありました。もっとも「奇跡」とは失礼ですが。チャイコフスキーの交響曲第5番は自分も学生オーケストラで弾いたことがあるのでリズムやアーティキュレーションなどを思い出しながら聴いていました。今までに聴いたことがないチャイコフスキーでした。しかし、それは斬新とかそういう言葉では表せない演奏で、音そのものから新しく、また、なんと自在にチャイコフスキーを奏でているのだろうと、それは驚きました。まず、音です。弦も管も西洋音楽の歴史から解き放たれたような軽やかさと濃さ、この相反するような言葉で形容したくなる不思議な厚みがありました。一昔前の第三世界の音楽がやはり西洋音楽への指向から抜け出せなかったこと、それは決して批判されるものではないのですが、文字通り自分たちの音楽にはなかなか到達できない一面が感じられたことを思うと、ベネズエラのチャイコフスキーは、初めに自分たちの音楽ありきというスタンスで奏でているところに感動するのです。アンコールの小品でバイオリンなどを持って立って踊るようにしながら奏する姿も自然な印象です。こんな奏で方があったのかという感動です。ベネズエラの「エル・システマ」は今後も機会があったら聴いていきたいと思いました。昨夜の番組は続いてドゥダメルがベルリンフィルを振った「ワルトビューネ・コンサート2008」でした。音は西欧の音ですが、音楽はドゥダメルの音楽でした。聴き応えがありました。
市内の書店で硬派の写真集が平積みになっていて手に取りました。立岡秀之の『カンボジア』(幻冬舎ルネッサンス 2008)です。彼は私が住む松阪市出身とのこと。それでこの平積みとわかりました。帯に土門拳賞受賞と帯にありました。中を見て納得です。カンボジアの人たちが何の構えも感じさせない日常のそのままの姿でそこにありました。ほんとに何でもない毎日の写真です。でも、写真を志す人ならそうした写真を撮ることの難しさは身にしみています。こうした写真を撮るフォトグラファーは「被写体」の人たちと心と心をつなぐパイプを瞬時に結んでしまう才があります。愛情や尊厳を持ってシャッターを押す、という表現では足りないでしょう。飛躍するようですが、臨床という言葉がふさわしいのかも知れません。この写真集はたいへん見応えがあります。ちなみにカメラはNIKON F4のようです。フィルム、ですね。でも、財布の事情から買った本は松田敏美の『モノクロームの旅路』(えい出版社 2007)でした。蛍光灯が明々と照らす書店ではいささか存在感が薄れてしまうような陰翳をたたえた写真とフォトグラファーの手記です。黄昏時の写真を撮り続けるひたすらな営みにモノクロームのフィルムは相応の淡いデリケートな表現で応える。アート・フォトの領域です。
外付けHDDを調達しました。土日各5台の数量限定の最後の1台でした。真ん中を絞った曲線の縦型デザインはMacとの調和でちょっとどうかと思いましたが、1TBという大容量と、数量限定で1G=11.8円というコストパフォーマンスにぐらっときて決めました。ネットでもほぼ最安値で、後々のメンテナンスを考えると地元店の5年間修理保証はありがたい。品番はBUFFALO HD-CE1.0TU2で、そのデザインは薄型テレビのHDDとしての設置も想定してのことのようです。ファンレスの静音がいい。MacOSジャーナリングでフォーマットしてMac専用にしました。接続はUSB2.0でSCSI+αの高速転送です。映像信号もS-VHSのコードでHDDレコーダーから直接キャプチャに使うデジタルビデオカメラにつないで、さて、HDDからビデオを取り込もうとしたら、なんと、IEEE1394の接続コードは職場のロッカーに置きっぱなしでした。またの機会、いつになるのだろう。
2009/02/21
2月のポコ・ア・ポコ
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