「ジャガーノート」という映画の結末を知ったのはいつの頃だったろうか。ネットで調べると1974年の作品なので私が高校2年生のときの作品です。この映画は観たことがありませんが雑誌評が印象的でした。客船に仕掛けられた爆弾を処理できなくて爆発してしまうという、日本では作り得ない映画だとありました。ハッピーエンドがお約束の映画界で最悪の結末で終わる映画は少ない。そんな映画を観たことがなかった私はその雑誌評が忘れられなくなりました。今夜はこの体験を思い出すテレビ番組が放送されました。NHK-TV「プロフェッショナル」です。手術の合併症で患者が亡くなるという映像がありました。生前の姿と手術中のやりとり(部分麻酔なので会話はできる)、合併症への処置、夜空の下の病院に流れる死を伝えるナレーション…これを放送するのかと思い、映画「ジャガーノート」を思い出しました。結果はこれ。これは事実。だが、すべてを医師に託す気持ちになれた患者の文脈もまた紛れもない真実です。私はその真実の尊さの大きさにただただ謙虚になってしまう。誠意を尽くす姿がある。「プロフェッショナルとは何ですか」というこの番組お決まりのQへのAは「…アマチュアリズムの極致でしょうね」という外科医の言葉にハンマーに殴られたかのように感動してしまいました。真実を支えるのは誠意です。「プロフェッショナル」は「アマチュアリズムの極致」という外科医の言葉もまた真実だと思います。
2009/04/13
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