『太陽』(平凡社)No.203、1980年3月号の特集は「佐伯祐三 絵画 vs 写真」でネットオークションでプレミアもつく1冊です。今日、移動途中で入った古書店で探していたこの『太陽』を見つけて飛びつきました。値段はなんと缶コーヒーよりも安いコイン1枚でした。この特集は佐伯祐三が描いたパリのシーンを写真家の高梨豊が写真で“描く”というものです。カメラというハードを使う時、レンズの画角が重要な要素となってきます。佐伯祐三のものの見方、彼の精神の内側を垣間見る手段を選ぶような感覚になったことでしょう。パリでの高梨豊の模索が伝わる写真と佐伯祐三の絵が並んでいます。単なる紀行ものではない。いつだったか、このときのレンズは50mmですべて撮れるように思えたという高梨豊のコメントがテレビ番組でありました。私はそのことに惹かれました。画家の眼と写真家の眼のクロスポイントが示されたようでした。
ところで、この『太陽』は22〜23ページに書店の納品票がはさまれていて、いつ、どの書店が誰に本を納めたかがわかりました。書店は市内で、納品先は勤務先も名前も記されています。読む人の時間のひとこまも見えるようでした。同じ仕事の人だったからその分思うところも少しばかり多いのでしょう。私も市内に勤務していた頃はその書店から何冊か購入したことがありますがいつしか閉店してしまいました。教育関係が充実していたので残念です。
来週から寒くなるとのこと。冬支度です。
2009/10/31
佐伯祐三 絵画 vs 写真
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