先月末の日本在宅医学会は情報の質、量ともたいへん充実していて抄録やメモを読み返しては在宅医療の現在に思いを巡らせています。シンポジウム「居場所づくりが地域を豊かにする~こども食堂や保健室~」の終了間際にフロアからあった発言(質問)は今後目指すべき社会のあり様を示唆しているように思いました。「人の支援を目的化しない」つまり、コミュニティを構成する人たちが自分たちの「身の丈」に合ったコミュニティの機能を見つけ構築していけるように仕掛けを作っていくことの大切さです。この学会は文字通り在宅の患者を見守る医師の会で子どもたちも然り。病気や医療的ケアの子ども、障害があったりがん経験者や緩和医療を受けていたりする子どもたちです。特別支援教育の専門性とも深くリンクする内容でした。がん教育を行うに当たって小児がん経験者や家族にがんの人がいる子どものサポートにつながる具体的な取り組みの報告もありました。また、六車由実さんの「「対話」によるつながりの「回復」ー介護民俗学の聞き書きの実践からー」と森川すいめいさんの「オープンダイアローグ(開かれた対話)なぜ対話だけで精神病状が安定するのか?」は玉手箱が目の前で開けられているように思われて深く心に刻まれました。丸々2日間学会を聴き続けて、聴くということでこんなにも疲れたことはないというほどのエネルギーを使いました。でも、この先の私の活動や取り組みのベクトルをしっかり見定めるまたとない機会となったことは確かです。
2018/05/11
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