2019/03/12

痕跡本

2月2日に長野県伊那市立伊那小学校の研究会に参加してから細い糸を手繰り寄せるようにして本を集めることになっています。短期間に40冊超の本が次々と届くとまるで古本屋のようで、気になるところを拾い読みしては硫酸紙(グラシン紙)を掛けるなどしています。カテゴリーは教育学、心理学、哲学、看護学で中には貴重なものも何冊かあります。貴重と思っているのは私くらいかもしれませんがまるで投機目的かと思うくらいの高値がついていることがあります。その間隙をぬってお目当ての本をほどほどの値段で買い求めるのもスリルがあって面白いものです。

そのほとんどが今では新本で出回っていない古書なので中には個人や大学図書館の蔵書印や書き込み、著者のサインがあったり、また、献呈の栞などが入っていたりとこれはこれでいろんな想像を巡らせてしまいます。時には私信が入っていて驚いたことがありました。こうした場合“現状”で販売するのが古書業界の習わしなのだろうか。私は本は売らない主義ですが貸すことがあるので気をつけないといけません。

今日は「上田薫著作集」の収録リストを作りました。収録してある本を重複して購入してしまったのでその予防策です。全集ものなので月報が入っています。著者の教えを受けた人たちが出会いなどの思い出や業績について綴っています。「上田薫著作集」では毎回4~5人、計66人が執筆しています。こうして著者を知る人たちのそれぞれのかかわりでもって語られる人物像はそれぞれの執筆者のもので、著書では知ることのできない姿がそうして鏡に映るようにして浮かび上がるのはとても興味深いものだ。上田教育学はそう遠くないうちにもっと光が当てられ研究されるときが訪れることと思います。

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