蔵書リストに入力していて本棚から小野功生(監修)『構造主義 (図解雑学)』(2004)を見つけました。私のプロフィールにはしばらく前まで「構成主義」のところは「構造主義」としていました。とくに構造主義を勉強したわけではないのですが、構造主義という言葉でカテゴライズされる中に私が関心を寄せている考え方や人物が多く含まれていることから関心のベクトルとしてそうしていました。きっかけはこの本だったかも知れません。はさんであった書店のレシートの日付は2009年7月23日でした。この年は退職時の病弱特別支援学校に1回目に勤務した2年目です。学校経営の根幹をなす理念等々について文献や情報に広く当たり、様々に思い巡らせていた頃でした。人は現実の状況を目の当たりにして思い悩むとき、そのことについて表現する言葉を持つ持たないは別にしておおよそある方向に思索を向けるのかも知れない。そのある方向とは、実は哲学あるいは哲学的な探究をする人たちがコンテンポラリーの中で思索の対象としているものではないのだろうか。構造主義はポスト構造主義へと移ってきたとされるが人はそうそう簡単に考え方や感じ方を変えるわけではない。それゆえ様々なことについてその来歴を探ることになる。そうした来歴のガイドとしてこの本は面白いと思ったでしょう。おまけに挟んであった1枚の付箋の場所は「ラカン 自分という「他者」」のページでした。7月の塩飽海賊団特別講義のテーマは「今、現象学を通して見えているもの ドゥルーズを通して見えているもの」でしたが松本卓也先生の話でラカンに触れた部分に私のアンテナは強く反応しました。以来、松本先生の著書等ラカン関連の本を何冊か調達して読むことになりました。私はその何分の一すら理解できているわけではありませんが、そこに求めている何かしらがあるのではないかという予感があります。ちょうど10年前、京都でこの本を手にして買い求めていたことは今の私を後押ししてくれているように感じました。この先、ラカンの著書を紐解いていくわけですがゴールが見えない道のりゆえに好奇心も終わりがないことになるでしょう。
2019/11/07
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