■古本屋で小林麻美の『あの頃、ショパン』(角川文庫1987)を見つけて手にとりました。彼女の『アイ・ライク・ショパン』が好きで、その歌のことが書いてあるかも知れないと。ところが意外なことを発見しました。
■「1980年、ブラッサイ」という題のエッセイがあって、ブラッサイという写真家の作品への思い入れと、ニコンのカメラを買ってどうやらマニュアル撮影で四苦八苦していることが描かれているのです。まさか、と思ってよく見ると、「写真撮影:小林麻美」とあります。本の写真は彼女の作品です。
■その本のとなりには『私生活』(角川文庫1988)がありました。これは写真集ともよべるくらい彼女の作品がたくさんありました。スナップからファインアートとよべるような写真までいろいろ、エッセイと並んでいます。ほんとにいろんな写真があるのでメッセージが読み取りづらいのですが、1枚1枚の写真のクオリティは相当なものと見ました。構図、ピント、絞り、色、階調…どれをとってもきちんとねらって撮って作品にしています。私は彼女の作品に魅入られてしまいました。
■作品もいいけど、カメラを手にした彼女もまたすごく絵になっています。数枚、彼女自身も被写体となっています。それがすごくいい。彼女にとって写真を撮るという行為はどんな意味があるのだろうと、ふと、思ってしまいました。写真を撮ることと自分が撮られることと、ひょっとしたら、彼女にとっては同じくらいの重みがあるのではないでしょうか。あんなにも絵になる彼女は撮られていてもきっと撮らせているのだ。
■だから、エッセイもいい。いい写真を撮る人はきちんと自分を語る術ももっているのだと思う。
2001/10/27
小林麻美と写真
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