2009/02/01

フォーレの音楽

先月、小さなニューイヤーコンサートに行くことがありました。日本歌曲を十数曲まとめて聴く機会となりました。もちろんマイクを通さない演奏で久しぶりに生の音楽を堪能しました。でも、そのときのピアノの音の輝きがいまひとつだったように思えて、意識はしていませんでしたがずっと耳に入るピアノの音を気にしていたようです。昨夜はグールドの「images」を聴いてほっとしたのか、そのことに気づきました。グールドのピアノは実に饒舌です。ひとつひとつの音がその存在の意味を瞬時に伝えています。ただただ圧倒されますが同時にとても安心できる演奏です。彼の独り言も!?

私のiTunesを探ってみたところ、フォーレのピアノ曲が1曲もないことに気づいて全曲集を注文しました。届くまではと、アメリングとスゼーが歌うフォーレの歌曲集を聴くことにしました。このアルバムはレコードのときから持っていてCD盤を買い直したというお気に入りです。録音から40年近くになりますがとても瑞々しい、コンテンポラリー且つノスタルジーに溢れた演奏です。ボールドウィンのピアノも柔らかな輝きがあって最高です。

フォーレの作品はレコードでは管弦楽曲を含めて何枚か持っていますが、CDはこの歌曲全集とレクイエム、そして、ヴァイオリン・ソナタだけです。そのレクイエムもレコードの頃に録音されたアルバムです。ミシェル・コルボ指揮、アラン・クレマンのボーイソプラノです。このレコードをカセットテープに録音してくれたのは大学のときの友人です。また、3年前の夏にはこの演奏のことを語る人と思いがけなく出会うことがありました。エピソードの多い演奏です。

私がフォーレに惹かれた理由は直感的でした。ただただ音楽に浸れるからでした。難しいことを考えなくても聴けるのです。自分らしくない聴き方で苦笑してしまいますが、だから今フォーレが聴きたいのかな、と思います。弾くにしても「3つの無言歌 op17」から第3曲の変イ長調をゆっくり弾くなんてきっと素敵だ。

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