2009/06/20

今週の新聞から

「明日、午前8時にうかがいます」えっ、朝8時!? それで今朝は6時から家の掃除となりました。リビングにつながる小さめの部屋にエアコンを付けることにしたのです。工事は1時間余で終わりました。その手際のいいこと、プロと感心することしきりでした。配管も樋に沿わせて化粧カバーを使わないように配慮されていて納得の工事でした。今日はエアコンの取り付け工事がたくさんあるとのことで、片づけも去るのもあっという間でした。
木曜日のNHK-TV「クローズアップ現代」は「10歳の壁を克服せよ 〜考える力をどう育てるか〜」をテーマに教育課題を真正面から取り上げていました。これも真の「教育再生」を示唆するものでした。ゲストは佐藤学氏で、今、このときにこの人しかいないという人選です。番組は子どもの成長を文字通り総合的にとらえることが大切という視座で制作されていました。「考える力」を育てるには豊かなイメージを描くステップが必要で、豊かな言語体験、家庭での会話や読書という基本の“キ”の大切さをあらためてしっかり教えてもらうことになりました。
ブログのコメントに佐々木正美氏のことを書いていただいて久しぶりに氏の『子どもへのまなざし』『続 子どもへのまなざし』(福音館書店 1998、2001)を開きました。そこにヴィゴツキーの名前を見つけてはっとしました。自分の中でいくつかの概念がつながっていくのがわかりました。ヴィゴツキーはもっと早く勉強したかった。いくつかまとめなければならないものがあってかなり焦っています。
時間がないところにまた私の関心を誘う新聞記事が目に入ってきました。バン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さんについて2本。6月11日の朝日新聞朝刊「音楽だけでなく、すべての感性を豊かに育てることが、音楽家としての人生を豊かなにする。そんな思いから、いつ子さん(母)は辻井さんを、美術館にも積極的連れていった。作品ごとに立ち止まり、目の前の芸術の色、形、様子を辻井さんに語ってきかせる。『花火に行っても、心の中で色とりどりの花火が開く。母のおかげで、何でも心の目で見られるようになった。不自由はありません』」 6月18日の朝日新聞夕刊「辻井さんが筆者に最も生き生きと話したのは、母のいつ子さんとウィーンを訪れ、クリムトの『接吻』に接したときのこと。『一番の思い出』と繰り返し、魅力を語り続けた。街中の雑踏から切り離された、静謐な美術館の空気。そして、愛する母の、優しく穏やかな語り口。そういった空気すべてで、辻井さんの心はクリムトを確かに感じたのだろう。」 障がいの有る無しに係わらず質の高い経験は必要だ。
同じく6月18日の朝日新聞夕刊の「ニッポン人脈記 この一枚の物語」は写真家の藤原新也氏を取り上げていました。彼の写真はこの記事を書いた記者と同じように学生の頃の私に強烈な印象を残しました。『メメント・モリ』などに掲載のインドの写真です。一目でズイコーレンズとわかるオリンパス・ブルーの深みのある色彩で捉えられたインドの日常は日本からかけ離れた文化を伝えていました。流れ着いた人の死体を食べる犬の写真など、目が釘付けになりました。この記事の見出しは、しかし、「生きる力をかき立てる」です。「二十数年ぶりに故郷に戻ったのをきっかけに、公募した少女らを撮り始めた。ある母親から、お礼の電話があった。不登校だった娘があれ以降、学校へ行くようになり、進学するといっています。そんな例がいくつもあった。『こちらが無心で対し、シャッターが押された瞬間、自身の存在が承認されたということなんだろうね。』(中略)写真は追憶にもなり、生きる力にもなる。みなさんにとって『この一枚』は何ですか。」そんなエピソードがあったのかと大きなため息をついてしまいました。ふれることで自分のイメージがはっきりする芸術や出来事があります。
眼鏡店でフレームを試着して鏡を覗いて、そこに映る自分の顔に嫌気がさして早々に店を出たことが何度かあります。眼鏡店の鏡はどうしてあんなにもリアリティがあるのだろう。しわや肌の荒れ、毛穴までもが容赦なく映って年相応の自分を見せつけられる。こうなると眼鏡を買う気持ちが萎えてしまうというものだ。だけど眼鏡はいつか買い換えなければならない。たかが眼鏡、されど眼鏡店の鏡、現実に立ち向かう決心をして眼鏡を作ってきました。常用のセルフレームにガタがきたのでやはりセルフレームを1本、そして、スポーツ用にレンズもフレームも小さなメタルフレームを1本です。どちらもちょっと旧いデザインで少々ぎこちないところが自分らしさかと思ってのチョイスです。

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