NHK-BS2で映画「ギルバート・ブレイプ」が放送されました。録画したので今夜は所々しか観ていませんが、何度観ても言い様のない感情に駆られます。アメリカンドリームのかけらも見出せない出口がない日々、閉塞感、でも、そこに生きる人たちがいる。些細な出来事に心を揺らせながら生きている人たちがいる。この映画は観ることにかなりのエネルギーを要しますが、ピーター・ヘッジズの原作(高田恵子訳 二見書房 1994)は淡々と読ませます。それだけにもっと生々しいのですが、どこかしら出口も感じさせます。それぞれ独立した「作品」と思わせる原作と映画です。
映画で知的障がいがある弟アーニーを演じるのはレオナルド・ディカプリオです。素晴らしい演技です。ディカプリオは当時19歳、役のアーニーは映画の中で18歳の誕生日を迎える設定です。表情はもちろんですが、指の不器用さと身体のアンバランスがアーニーの生きづらさをストレートに表現しています。映画では主な登場人物の身体の動きが台詞以上に多くを伝えていて学ぶところが多い映画です。「目は口ほどにものをいう」といいますが、身体はそれ以上に饒舌ではないでしょうか。
今夜は日付が替わってからやはりNHK-BS2でイタリア映画「鉄道員」が放送されます。これもまた名作です。私が弱いイタリアの「貧乏物語」です。悲しくて切なくて、でも、目をそらせられない現実の生活があってそこに生きる人たちがいる。ワーキングプアが社会問題になっている今、この映画はまた注目される文脈を含んでいると思います。
2009/09/02
「ギルバート・グレイプ」と「鉄道員」
登録:
コメントの投稿 (Atom)
手帳の憂鬱と愉しみ
さすがに新しい手帳を買い求めることに慎重になるほどいろいろ手元にあります。物欲といってしまえばそれまでですが当の本人はそこにあたらしい何かを生み出そうとする思い入れがあってのことと、これも都合のよいことを考えています。手帳歴をその意味での生産性という視点で遡ると後々見返して役立つ...
-
この4月に勤務先の病弱特別支援学校が再編されて校名も新しくなる節目を迎えるに当たり、病弱教育の歴史の一端を紹介する機会がありました。 「病弱教育は明治時代に三重県で始まったとする説があります。「三重県学事年報第九 明治二十二年」には、三重県尋常師範学校の生徒の約6割、70人余が脚...
-
9月の日曜日のポコ・ア・ポコは9家族のみなさんに来ていただきました。私は夏の疲れが出て始まる前から少々おぼつかないところがありましたが、子どもたちが来てくれるといつもの元気が戻って密度の濃いセッションとなりました。曲の終わりの「静」をみんなで感じることの達成感はいつも素晴らしい。...
-
検索キーワードに矢野智司を設定して時々チェックしています。先日、彼の近刊が矢継ぎ早に出ていることがわかってあたふたと取り寄せています。 『教育の世界が開かれるとき:何が教育学的思考を発動させるのか』(矢野智司・井谷信 彦編)(世織書房 20220412) 『京都学派と自覚の教...
0 件のコメント:
コメントを投稿