翻訳家の村岡花子をモデルとしたNHKの「あんとアン」は活字を新鮮な眼差しで追った頃のときめきを思い出させてくれますが、この連休に思いがけなくやはり翻訳家の中山知子について思い出したことや新しく知ったことがありました。私が初めて中山知子を知ったのは小学校の音楽の副教材にあったインドネシア民謡の「ママのそばで」の訳詞者としてでした。オリジナルの歌詞はわかりませんが、その旋律は音が本来もつ機能のまま、まるで流れる水が岩肌の角を丸くした渓流を淀みなく進むようになめらかで、歌詞は水面に浮かんで流れる花びらのような、そんな表現が似合う歌でした。当時はインターネットもなくて調べようもなかったのですが、中山知子の名前はいくつかの歌の訳詞のところで見つけることができました。子どもたちがときめく言葉をよく知っている、児童文学者としての訳詞をされていました。今から30年くらい前のことでした。それが今どうしてまたあらためて知ることになったのかというと、トレパー・トッド著『交響曲を書いたゴキブリ』という本の翻訳者として名前を見つけたからでした。すでに絶版となって古書を取り寄せることにしましたが、どうしてわざわざこの本かというと、それは何となくピンときたということしかありません。翻訳者の名前だけでなく題名やそのときの自分の関心や気分など、何かが結びつけたとしか言いようがない。早く届いてほしいもの。中山知子は三重県生まれとのこと。祖父が「山田朝報」を創刊してその主筆だったらしいので伊勢生まれかも知れない
2014/05/06
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