昨年末に部屋の整理をしていたらメールをプリントした紙が出てきました。メールといっても2~3行のものですがちょうど父が亡くなった直後のことでもあり記憶に刻まれた出来事にまつわるものでした。
私の父は20余年前の正月の3日に急逝しました。葬儀や公的な届けなどが終わって実家の居間でこたつに入っていたとき、私のホームページを見てメールを送りましたという書きだしのメールが届きました。
「私のSnow Whiteは自己免疫が自分を攻撃する病気で起きることもできず話をすることもできない。情報を探している」というものでした。なぜ私に?と思いましたが、当時私は肢体不自由養護学校(特別支援学校)で重症心身障害の子どもを担任していてそのような子どもたちと教育についてふれていたのが目に留まってのことと思いました。(「私のSnow White」ははじめ何のことだかわからなかったのですがメールを読むにつれて幼い娘さんということがわかってきました。白雪姫です)
メールをやりとりするなかでメールの差出人はスウェーデンに住んでいる日本人の女性であること、娘のSnow Whiteの病気でわかっていることが少ないので情報を求めていることがわかってきました。Snow Whiteは担任している子どもたちのようなお子さんだろうと思うとお母さんの気持ちが察せられ居ても立っても居られなくなり、名前しか存じ上げていない県内の国立病院の専門の先生にいきなり電話をしてしまいました。私は勤務先と名前、そして、経緯(いきさつ)など伝えましたがそのことにふれることなくいろいろ教えてくださりました。そしてSnow Whiteのお母さんにメールを差し上げました。その頃のメールは残っていないので曖昧ですがその日とその翌日のことだったと思います。あっという間の出来事でした。
その返信にはお礼の言葉とともに見ず知らずの者にどうしてこんなことをしてくださるのかとありました。当時の私はトライアスロンをしていたのでスポーツ刈りで日焼けしていてちょっと強面の写真をホームページにのせていたのでどんな人なのだろうと戸惑ったようでした。
最後のメールにはスウェーデンの長く厳しい冬が綴られてありました。窓の外は雪ばかりで春は遠いと。私はスウェーデンを訪れたこともなくただ北欧の厳しい寒さの中で母と娘がふたりで過ごす部屋を思い描くばかりでした。
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