2025/01/13

京都へ

この3連休は冬型の天気で山は新雪が積もってきっときれいと思いましたが私の技術では想定外の困難があるかもしれないと山行は断念しました。そしてふと京都に行くことにしました。京都はオーバーツーリズムでたいへんと聞いているので新名神が名神と合流する手前の草津田上ICで降りてJR瀬田駅近くの駐車場に車を置いて鉄道で京都に向かいました。京都駅で山陰線に乗り換えて太秦まで行き、そこで嵐電に乗り換えて等持院・立命館大学衣笠キャンパス前で下車して徒歩で等持院に向かいました。

等持院は3連休中日なのに訪れる人はまばらでゆっくり回ることができました。等持院を訪れた理由は特にあるわけではなく散策のスタートにしようとしました。足利氏代々の坐像は初めて等持院を訪れたときに目が釘付けになってしまってその記憶を確かめるためにその後も足を運ぶことになったのだろうと思いました。

さて、Googleマップを見て次はどこへと一思案かと思いきや、「行きたいところ」を示す緑色のフラッグのアイコンがあちこちにあってそこを辿ろうと考えてすぐに歩き出しました。スタートが遅かったのでその時すでに昼12時半を回っていてどこかで昼食もとまたGoogleマップを見るとフィンランドカフェ ポーヨネンが目に入りました。いつどういう経緯でそこが登録されたのかさっぱりわかりませんがとにかく行ってみることにしました。途中、北野天満宮の前を通るとたくさんの参拝客がいてそこはスルーしました。

ポーヨネンは今出川通りを北に10mほど入った間口2間くらいの小さな店で動きにくい引き戸を開けたところ調理場と思しきスペースとカウンターが半分くらい占めていて狭い通路を挟んで小さなテーブルが壁に張り付くように置いてありました。先客はふたりで私が入ると席はあってもあとひとりというか一組がやっとか。私が注文したのはリハ プッラというミートボールでコケモモジャムを付けて食べるとメニューにありました。マッシュポテトが“がっつり”付くそうな。飲み物は“世界一マズいと言われている”サルミアッキとミルクを合わせたサルミルクです。どんなものが出てくるだろうと壁のポスターや本を見ながら待っていると小さなミートボール4個に広がったマッシュポテト、サラダが半分くらいを占めたプレートが来ました。コケモモジャムはミートボールの間にあって頼りなさそうに見えました。これだけで一食になるのかなと思いました。店の女性からコケモモジャムなどの話を聞きながらいただきました。ほどなくサルミルクも来ました。ジャムの類をミートボールに付けて食べるのは初めてでした。フランス料理は砂糖を使わないし私も料理にほどんと砂糖を使いません。その舌でジャム付きのミートボールは如何に!?と思っていましたが一口目から美味しい。その美味しさを何度も味合わいたくて小さなミートボールを半分に分けていただきました。マッシュポテトは薄味でサラダのドレッシングも薄味でこれは私の好みでした。サルミルクも美味しかったです。北欧のコケモモジャムは甘さが控えめで日本のジャムでは代わりが難しいそうな。日本では手に入りにくいのでそのときの代用も教えてもらいましたが店で販売もしているというので1瓶買い求めました。「値段が高いけどいいですか?」と一言ありました。私が住んでいるところから近いフィンランド カフェを教えてもらうと自宅から車で20分くらいだったので驚きました。また訪れてみたいと思いました。そんなこんなで店を出てあるき始めるとボリュームが心配だったのにお腹はしっかりした満足感があることがわかりました。

次は晴明神社で初詣客で賑わっていましたがほどほどでした。京都駅に向かって歩いていると京都府の旧庁舎など興味をそそる建物や地名がたくさんありました。平安女学院の聖アグネス教会は「ご自由に」とあったので入りました。大学の時京都で暮らしていたのでその教会の前は何度も通ったことがありましたが入るのは初めてでした。外壁は煉瓦造りですが中は木造建築そのものでした。高い天井も木が組み合わされていて日本瓦をこの構造で120年余も支えてきたのには驚きます。中は灯りが点いておらず焙煎したコーヒー豆のような深い色の壁や調度品が落ち着いた佇まいでした。横長のいすには真紅の布がかけられてあって色合いがやさしく、また、布の襞がとてもやわらかく思われました。

キリスト教の教会といえばとGoogleマップを見ると正ハリストス教会にしっかりマークがありました。ここは教会を外から見ただけでしたが遠く日本で布教を行ってきた歴史の深さを思いました。

途中、前々から気になっていた堀川商店街をゆっくり見てきました。街の図書館ではオープンダイアローグのイベントのチラシをもらってきました。堀川にかかる橋から下を見ると男の人が流れに沿った歩道のようなところを歩いていてこれも驚きました。よく見ると階段があって下に降りることができます。川底を歩くような格好となるので鴨川の堤を歩くのとは趣きが大きくちがうだろうなと余計なことも考えました。

京都の散策本は小倉紀蔵の『京都思想逍遥』(ちくま新書 2019)がいちばん身近に思っています。その地の歴史に思いを馳せながら歩くということについては京都はその密度の高さにおいて圧倒されます。昨日はやっとその一端に触れることができたのではないかと思います。県内の楯ヶ崎の駐車場まで車で約1時間半、瀬田駅前まで約1時間15分、距離は何とどちらも101kmで同じです。前述のオープンダイアローグのイベントは来月にあるので参加を目論んでいます。

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