■愛知県豊根村の茶臼山高原で開催中の前田真三写真展に行ってきました。感動しました。雑誌や本の印刷ではわからない色でした。文字通りのフルカラーです。なめらかな階調と深み、あざやかさ、繊細さとボリューム感、そのどれもが目を惹きつけました。オリジナルプリントは空気感が伝わってくるとでもいうのでしょうか。美瑛と前田真三との出会いはお互いにとって運命的ともいえるでしょうね。
■彼は6×6から8×10の中判から大判のカメラとコダックのリバーサルで撮って、ポジからのダイレクトプリントを最終出力の作品としています。プリントはフジのラボみたいです。発色はカールツァイスのレンズのこってりした色ノリだと思うのですが、カールツァイスとコダックとフジという組み合わせがどこかミスマッチであんなふうになるのだろうか。とにかくきれいなんだけど独特ですね。
■プリントには日本語と英語の題がありました。英語の題を読んでいたら、英語の方がイメージがふくらむように感じました。例えば『残りもみじ』は『Lingering colors of maple』です。メイプルという響きが新鮮でした。メイプルは楓です。バイオリンの表板がメイプルです。メイプル、楓、もみじ…ちょっとすてきな響きです。
■写真集やポストカードも売っていましたが、オリジナルプリントを見たすぐあとでは買う気になりませんでした。オリジナルプリントも売っていました。これはもちろんよかった。だけどポストカードサイズで1万円なので手が出ませんでした。
■写真展を見て外に出たら同じ風景がちがって見えました。EOS D30で何枚か撮りました。D30はデジタルでもやっぱり一眼レフのむずかしさがあります。まずピントがシビアで合っているところにしか合わない。これは当たり前だけど自分の拙い技術をいやというほど思い知らされます。ピントは銀塩以上にむずかしい。それからEOSの“???”な露出傾向は困りものです。よく雑誌にも書いてありますが、EOSの評価測光はどこか極端で、えー!どうして?というショットがあります。同じ場所を同じように続けて撮ったのに露出が全然ちがう。やはり EOSは評価測光ではなく中央部重点測光で補正しながら使うべきだと思っています。デジタルの補正で迷ったらとにかくアンダーをおさえることですね。
■茶臼山高原に行くには一旦長野県に入ってまた愛知県に戻るというルートをたどります。そこは南信州です。ノスタルジーを誘う安曇野の雰囲気にちょっとだけ触れることができます。北の風景はどうして魅力的に見えるのでしょうか。ここ数年、冬になると八ヶ岳高原に通っています。クリスマスデコレーションのバラクラ・イングリッシュ・ガーデンと八ヶ岳倶楽部の冬枯れの雑木林にこの冬もまた行くつもりです。車にシュラフとカメラを積んでの気ままなひとり旅です。昨年は清里のフォトミュージアムと現代美術館にも寄ってきました。どちらもたくさんのメッセージがあってちょっと消化不良!
■茶臼山への往復の車ではNHKの『おかあさんといっしょ』のCD『夢のパレード』をきいていました。つのだりょうこおねえさんは、ゆうこおねえさんやあゆみおねえさんとはちょっとちがうところがあります。『おかあさんといっしょ』というより『みんなのうた』です。しゅうさえこさんみたいです。彼女も『おかあさんといっしょ』のうたのおねえさんで歌はすごくうまいけどどこかミスマッチでした。
■先週末にNHK-BSでグレン・グールドの特集がありました。長時間番組だったので3倍速で録画することになって画質は落ちましたが、彼の演奏と話は貴重な映像です。グールドの演奏をきくと“ピアノ心”がわきあがります。
2001/10/08
前田真三写真展に行きました
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