大型書店に行くと書店は品数かと思うことがあります。この本も地元では出会うことが難しかった1冊です。志村ふくみ・文、井上隆雄・写真『色を奏でる』(筑摩書房 ちくま文庫 1998)です。この本は写真がまず目に飛び込んできました。草木染めの布の色合いのなんとやわらかなことか。こんな色、こんな写真があったのかと驚くばかり。志村ふくみの文も心に流れる時間を丹念に綴ったかのようなゆったりとした、でも、確かな抑揚があって趣があります。内容も深い。草木染めがこの本を作り上げたのだと思う。毎年増刷を重ねていることにも驚く。この本も根強い人気があり、私もやっと辿り着いたというところか。今日は文具店で「色彩雫」(いろしずく)という万年筆のインキを初めて見て色に敏感になっていたからかも知れません。この本には日本の色がたくさん出てきます。自然の色を名付けてきた文化の長さと深さを思わずにいられない。
2009/10/12
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