2014/10/13

デオダート

ずいぶん前のものですがNHKの調査では十代後半に出会った音楽がその人の音楽の趣向を決めることが多いとのことです。そんな十代後半というとFM放送がステレオで聴けて録音できるラジカセを買った高校1年生が私の音楽遍歴の始まりといえます。事実、音楽ばかり聴いていたように覚えています。とにかく聴く音楽がどれも乾いた海綿のように自分の中に入ってきたといってもいい。クラシックと洋楽は手当たり次第に聴いていました。その中でもデオダートはちょっと異質な存在で目の前にアメリカの摩天楼が広がるような感覚に包まれました。先日、当時のそうしたアルバムがCDで出ているのがわかってまとめて4枚調達しました。邦題では、デオダートの「デオダート2」と「ツァラトゥストラはかく語りき」、ヒューバート・ローズの「春の祭典」、そして、ジム・ホールの「アランフェス協奏曲」です。名古屋駅前の地下街にダイヤトーンのショールームがあって「ツァラトゥストラはかく語りき」ばかりリクエストしました。レコードをかけるのはマッシュルームのような髪型の若い女性で、当時、もう30数年も前のことですから正規雇用の社員だったと思いますが、手際よくレコードに針を置くと自分の席に戻って文庫本に目を落としていました。少し薄暗いそのショールームはデオダートの電子音楽がよく合っているようい思い、今もデオダートのを聴くとその光景がよみがえってきます。音の記憶は不思議なものです。大学生の頃、今のようにコンピュータやスマートホンがあったらどんな毎日だったろうと時々考えます。私のことですからまちがいなくそんなガジェットに夢中になっていたことと思います。スマートホンにモーツァルトをいっぱい入れて聴いていたにちがいないし、パソコンもやっぱり自作していたでしょう。その頃といちばんちがうのは、今は音楽を聴く時間が当時の何分の一もないということです。交響曲を通して聴くなどここ何年も数えるくらいしかありません。ほの暗いダイヤトーンのショールームでデオダートに聴き入った頃がただただなつかしい。デオダートも十代後半の出会いです。

2014/10/12

10月のポコ・ア・ポコ

10月のポコ・ア・ポコは4家族のみなさまにご参加いただきました。いつもよりちょっと少ない人数というだけですが、この空間こそとがんばるお子さんもいて動作もちゃんとできてグッズなどの受け取りや袋に返すことも積極的でした。みんなわかっているのです。それはふだんの姿でわかっているはずなのに形としてできるとまたちがううれしい気持ちになります。次回は11月30日で1月半のブランクがあります。楽しみにしてその日を待っていてほしいと思っています。

2014/10/05

いくつかの音楽シーン

昨日今日と終わってみれば走りに走って300km超という距離でした。仕事と所用とついでの用事、おまけに台風対策が付いてきました。インプレッサで移動中ずっと聴いていたのは佐野元春でした。先日録画したNHKの「名盤ドキュメント 佐野元春“ヴィジターズ”NYからの衝撃作 30年目の告白」を観始めたら音楽を分析的に聴くことの面白さと全然旧さを感じさせない当時の彼の音楽にとりつかれてしまいました。24トラックの録音パートを足したり引いたりしながら組み合わせて聴くシーンは面白い。そして、ニューヨークでレコーディングした「VISITERS」の緊張感がたまらない。このアルバムは日本では意外な印象を持った人が少なくなかったようですが、でも、これはあることだと思いました。例えば、MALTAの「EXCELSIOR」や松田聖子の「Citron」はアメリカとの縁が深いアルバムで、どちらもちょっと異質かなと思える肌合いやどこまでも抜けるような音が印象的です。佐野元春の「VISITORS」も同じ香りのするアルバムと思っています。襟を正して聴いてしまうところがある。音はクールですが緻密で、聴くときやっぱりテンションを要求されてしまう。でも、これは嫌いではない。

昨日は所用にちょっと足を延ばして名古屋の弦楽器店までヴァイオリンの弓の毛替えに行ってきました。その店は名古屋市立科学館の向かい、白川公園の横に移転していました。高く伸びた並木の前に立つやはり背の高いビルの3階の窓からはヴァイオリン工房が見えました。店内は落ち着いた濃い色の木の壁でした。もちろんそこでは毛替えの話が日常会話のようにできました。こうした意匠の店にこうした人たちが集い、こうした話がふつうにできること、そんな空間からはここしばらく遠ざかっていました。そして今日は、勤務校隣接の病院のエントランスでコンサートがあって小編成のオーケストラを聴く機会がありました。入院患者はベッドや車いすでしばしのコンサートに聴き入りました。これも非日常ですが目の前に展開するひとときでいいものでした。12月には勤務校の子どもたちのクリスマスコンサートもそのエントランスであります。これはちょっとしたサプライズです。

2014/09/30

弓のケースの話

バイオリンとチェロとコントラバスの弓の長さはどうちがうのか。楽器の大きさに反してバイオリンの弓がいちばん長いということは以前聞いたことがあって比べたこともたぶんあったと思います。バイオリンの弓の毛替えをするときにどうやって弓だけを店に持っていくのかがずっと解決しないままでしたが、コントラバスの弓のケースに難なく収まることがわかって今まで何を悩んでいたのかと少々情けなくなりました。なぜコントラバスの弓のケースが、ケースだけが家にあるのかはさておき、バイオリンの弓がいちばん長くてコントラバスの弓がいちばん短いと思い込んでいたのでそもそも試すことをしなかったのです。もしかしたら弓の長さというのは毛の長さのことかもしれません。コントラバスの弓はとにかく大柄で、もしやと思ってそのケースにバイオリンの弓を2本入れてみると入りました。これはこれはとほこりを拭いたところほとんど傷んでなくて留め金の色がくすんでいた程度でした。このケースは20年くらい前のものですが、よく見ると作りがとてもきれいで底と蓋のわずかな隙間も見事なほど均一で表面の黒いクロスもぴったり貼られたままです。弦楽器の値段はそれこそピンキリでこのケースもスタンダードクラスと思いますがこのクオリティはすごいと思った次第。コントラバスの弓のケースにバイオリンの弓を入れて持ち運ぶというのはちょっとおもしろい。

2014/09/21

9月のポコ・ア・ポコ

9月のポコ・ア・ポコは6家族のみなさまにご参加いただきました。8月は台風で中止となって2か月ぶりでした。子どもたちはぐっと大きくなって、参加の仕方も上手になって頼もしく思いました。少人数だと自分らしさを出しやすいのは誰しも同じで、ここぞとばかりのアピールは動作をしてのことで、やっぱり全部ちゃんと理解してるねとスタッフで話をしました。これからも子どもたちもご家族も安心して参加いただける場でありたいと思っています。来月も楽しみです。

2014/09/19

自分たちで決めるということ

スコットランドの独立を問う住民投票がテレビのニュース報道で見た限り粛々と行われた印象がありました。国がいろんな意味で形態を変えるとき、武力による対立が付きもののように報道されてきたので今回は別の驚きがありました。このような独立への道筋があるのかということです。そして、武力による対立の愚かさをあらためて思いました。また、国とは何かということも思い巡らすきっかけとなりました。身の回りを見ると自分たちで決める道筋がいくつもあって、すべてを自分たちで決めることの限界を承知のうえですがそのことを精一杯務めることの義務もまたあるのだと思う。政治だけでなく仕事でもプライベートでもそんなことはたくさんある。

勤務先で使っているキーボードのホコリ取りにとスプレー式のブロアを持って行って試したところ、打感や打音が大きく変わって驚きました。キーを押しこんだときのぐらつきやカチャカチャという比較的高い音のノイズが感覚的に激減しました。自宅にあるあまり酷使していない同型に近い操作感になりました。ブロアで飛び出したのは3mm四方の紙片の他は細かなホコリだけなのにこんなにちがうのかと、キーボードといえども日頃のメンテナンスは欠かせないと思いました。私は同型のキーボードを8年前から使っていて、今では買い足して2台を自宅で、1台を勤務先で使っています。先日、何かのテレビ番組でコンピュータの専門職の人が英字配列の同シリーズのキーボードを使っている場面があってやっぱりよくできたものなのだろうと思いました。同シリーズは文字無刻印のモデルまであってお値段も3万円超と手が出ませんがスタンダードでも操作感はなかなかのものです。こうした五感に響く印象は大事だと思う。

2014/09/13

ウィットナーの譜面台

昨日、隣接の病院の売店に行った時のこと。いつも通っている通路が通行止めになっていたので夜間出入口から入ったらT字になっている廊下の突き当たりに長テーブルといすがあって、人気アニメのキャラクターの絵といっしょに「勉強コーナー」とありました。「宿題などでお使いください」とも。病院の待ち時間などに宿題などをするスペースを設けているのは学校併設だからだろうか。それにしても病院の待合いに「勉強コーナー」があるのは面白いと思いました。

夜はウィットナーの譜面台が届きました。これはしばらく前からずっと探していて見つけることができなかったものです。譜面台はけっこう収納や持ち運びに難がある代物ですが、いつしか散らかった部屋から探し物を見つけることが難しくなってきてさすがに情けなくなってきました。仕方なく調達となった次第です。ウィットナーの譜面台は大学のとき初めて買いました。30数年前のことですが今も使えたはずです。それくらい長持ちするモデルです。もう一生物です。いっしょにオーダーしたのは「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のミニスコアです。もしかしたらの必要性もあってのことですが懐かしさも半分あってのこと。この曲は市民オーケストラに入っていたときに四重奏で練習したことがあって、私はヴィオラを弾いていました。内声部の楽器を担当すると音楽の構造感に浸ることができてモーツァルトの音楽を文字通り堪能しました。曲は未定ですが近々チェロを弾くことになりそうで、これは高校以来なので40年ぶりかというブランクです。人生はわからないもの。

2014/09/10

スーパームーン

昨夜はスーパームーンでした。東の空に姿を現した月は一目で大きいとわかるものでしたがその色の濃さにも驚きました。時間が経って空の高い位置にくると大きさもさほど目立たなくなりましたが天候不順が続いたので前夜の中秋の名月に続いて見慣れた季節が戻ってきたことをしみじみと思いました。次のスーパームーンは来年9月28日だとか。「カレンダー」に入力済!

「カレンダー」といえば7月から8月と今にして思えば目まぐるしいほどのスケジュールでしたが、9月以降も予定を入力していったら土日も含めてほとんどが埋まることがわかって少々焦っています。予定のいくつかは事前の準備も必要で、早速、パワーポイント資料の作成に取り掛かっている次第。某テレビ番組では「ぼんやり」する時間が脳にとって大切だとか。別に脳は休んでいるわけではなく脳内にネットワークが生まれていて、たぶん、創造的な活動にも関係しているのだろうと観ていて思いました。でも、積極的にそんな環境に身を置くことも創造という点ではきっと大きな意味がある。東浩紀の『弱いつながり』(幻冬舎 2014)は環境を変えることで違う言葉での検索があり、そのことで違う世界が開けると始まってリアルな旅でのエピソードと思索が続く。今の自分にはけっこう響くものがありました。「所変われば品変わる」如くに発想も変わるのはうなずけるが、所を変えること、環境を変えることを行動に移すかどうかが分かれ目になるのだろう。「臨床哲学」の手法か・・・

2014/08/29

8月の終わりに

8月もあと2日を残すばかりとなりました。今月は週末によく雨が降ったり台風が来たりして草刈りなど屋外で予定していたことがなかなかはかどらないまま月末を迎えようとしています。この雨の多さは全国各地で大きな被害をもたらしていますが、自宅前のインパチェンスにとっては朝遣った水が1日もたない小さなポットに植えられていることもあって恵の雨となったようで例年になく大きく成長して生き生きとしています。1本の苗から直径60㎝ほども成長して通路が狭く感じるほどです。もちろん、雑草も生き生きとしています。ところが野菜売り場からは一部の葉物が姿を消してしまい、水耕栽培のサラダの食材を調達することになってしまいました。見るからに無菌環境育ちで、田舎育ちにとってはちょっとなじみにくいもののように思っています。

モノの話をいくつか・・・

IT環境については自作マシンのUSB2.0を3.0にグレードアップしたことがいちばんの収穫でした。自作マシンのパーツはCPUとマザーボードをセットで調達してずいぶんお得と思っていたらマザーボードのUSBが2.0でケースが3.0仕様だったので少々焦りましたが、今夏、ようやくUSB3.0にグレードアップしました。モバイルメモリもSSDのケースをUSB3.0仕様に交換したところ効果はてきめんでした。フォルダごとのコピーなども文字通りあっという間に終わります。追加ボードの投資2,000円でこの改善は自作マシンならではでしょう。それにしてもこのようなパーツとパーツを構成する細々とした電子部品があってそれは需要があるゆえのこと、数寄人はたくさんいるわけです。

お盆に某寺の行事を撮影することがあって久しぶりにEOS 5D mark2を持ちだしました。レンズはEF24-105mm F4 L IS、バッテリーグリップBG E6に2つのバッテリーを入れてのフル装備なのでとにかく重くて、また、カメラの設定もすぐには思い出せなくて焦りましたが絵は申し分のないものでした。今回はRAWも同時保存といういちばん負荷のかかる設定でしたが記録も早く、サブダイヤルでの露出補正もスムーズで、何よりもシャッターのレスポンスがよくて撮影はスムーズでした。デジタルになってから絵はカメラの資質に依存するわけで、EOS 5D mark2は1世代前のモデルとはいえ納得の文脈、クオリティだと思っています。それは、もしかして自分は写真を撮るのがこんなにうまかったのかという錯覚に陥るほど。でも、もっと真剣に写真を撮ってあげないとカメラも不満なのだろうなと思います。

2014/08/01

あらためて病弱教育

水曜日から週末まで広島に出張でした。ホテルの部屋に木曜日の朝届いた中國新聞朝刊に「子の難病107疾患追加 厚労省委方針 医療費を助成」という記事がありました。「小児慢性特定疾患に追加された主な疾患」のトップは全身性エリテマトーデスでした。病弱教育に関わりがなかったらおそらく知ることもなかったと思う疾患名で、病弱教育の研究協議会で訪れた出張先の新聞で目にしたことはどこかしら偶然ではないつながりを感じてしまいました。これから様々な動きがある病弱教育です。情報収集と現行制度の今一度の研究、そして病気療養の子どもたちに対応した仕組みの新たな構築がミッションです。8月下旬には関東地区の研究会にも出席できることになってありがたく思っています。

この出張で3日間ホテルに缶詰となって暑さを忘れかけていたようで帰路が思いの外たいへんでした。水分補給だけは欠かさないように気をつけていたのですが体内の水分は不足気味だったようでした。

パール・バック『母よ嘆くなかれ』

音楽療法の研修資料で前に作成したスライドからパール・バックの引用を使うことにしました。ポール・ノードフ、 クライブ・ロビンズ著、望月 薫訳『障害児教育におけるグループ音楽療法』(人間と歴史社 1998) に寄せたパール・バックの「序」の一部です。 遅滞のある、ゆっくりと考える人た...